第1回目の「極楽寺花まつり茶会」が開催されました。
境内の桜も満開で、約120名の方がお出でになりました。天満祥典三原市長もご
来席下さり御祝いの言葉を頂きました。

法要の後、ご本尊に対して供茶が行われました。

4月8日はお釈迦様の生誕祭です。極楽寺の念仏会は今回で590回目となります。
住職による「お釈迦様と花まつり」と題した法話ではお釈迦様の一生について解りやすく
お話になられ、極楽寺の歴史についても知ることが出来ました。
お釈迦様は、シャーキャ族の王子として生まれ裕福に暮らしていましたが、
四門(東門…老人、南門…病人、西門…死者、北門…沙門)に会い、人間の四苦から
人々を救うことを願い29歳の時に出家、35歳の時に菩提樹の下で悟りを開きました。

本堂では、花御堂に小さなお釈迦様像が祀られています。御堂はお釈迦様が生ま
れたルンビニ園を表現したものです。お釈迦様が生まれた時、九匹の龍が現れて
甘露の雨が降り注いだという言い伝えがあります。

参加者の皆様は、この伝説に基づいて花御堂の中のお釈迦様に甘茶を注いで、
生誕を祝いました。参加者の皆様に甘茶が振る舞われ、とても有り難い甘茶席となりました。

甘茶をかける玉壷会・難波幸一会長
法話の後、書院では薄茶席が始まりました。担当は、地元三原市の茶の湯歳時記
同好会会員表千家流です。書院の障子を開け、春爛漫の庭を見ながらのお席です。
時折、桜の花が風に吹かれて桜吹雪となって庭に降りてきます。お床の花入には、
席主がこの日の為に準備した見事な牡丹が入れられています。
お席の取合せもお釈迦様の生誕と、出家される姿などの仏教の物語に基づいた
世界観がとても上手に表現され、お客様方に大変喜ばれました。


お客様の中に、茶会の日が還暦の誕生日と重なった方がおられました。
「とても素晴らしいお茶席で、私も生まれ変わったような気が致しました。
これからの人生に前向きな気持ちになりました。」という大変有り難い
お言葉を頂きました。

点心は本堂と境内全域がお席になりました。縁側に毛氈を敷いて桜を眺めながら
楽しまれる方、甘茶を楽しまれる方、七千体のダルマを集めた青山記念堂や、
隆景公ゆかりの新高山城より移築した山門(市重文)を見学されるなど、
皆様は一日をゆっくり楽しまれている様子でした。

桜の木の向こうに見えるのが、新高山城より移築した山門(市重文)