2016年07月11日

「天空の山城 備中松山城献茶式(遠州流)」に参加しました。

平成28年5月29日(日)、現存する山城としては、日本一標高の高い
所にある「備中松山城」にて、遠州流13世お家元小堀宗実宗匠による
献茶式が開催されました。
備中松山城は、天空の山城と呼ばれ現在まで大切に伝えられてきました。
また、備中松山の地は、慶長9年、若き日の小堀遠州が治めた土地としても
有名で、名刹・頼久寺(生島裕道住職)には、遠州作の枯山水庭園が、当時の
様子のまま残されています。

尾道から高速道路で向かいましたが、道中は雨が降ったり止んだりと、
少し不安定な天候でした。駐車場に付くと受付を済ませて、専用バスに乗り換えました。
小型バスが運行可能な、最高地点まで参加者を送迎してくれました。
バスを降りてからガイドさんのお話を伺いながら山城へと続く道を歩きました。
途中には、小堀家の七宝模様の旗と、巴九曜紋の旗が道案内となっています。

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高い石垣が見え始めたところで、ガイドさんが足を止めて説明をしてくれました。
山の名は、牛が臥せたような姿から「臥牛山(がぎゅうざん)」、標高480メートル、
山の殆どが花崗岩で出来た岩山です。

大手門の石垣は、天然の花崗岩の上に、切り出した石を積んだもので
天を衝くように切り立った威容を誇っています。この上無く堅牢で、
攻め入る事を躊躇ってしまうような威圧感があります。

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正面にある石垣、花崗岩に積まれた石垣と土塀は、大河ドラマ「真田丸」の
オープニングでも映像として使われています。日本に唯一と言っていい、
それは見事な高石垣です。

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大手門を過ぎると、江戸初期の土塀が残されています。
風雨に晒される土塀が現存するのは大変珍しい事です。
鉄砲狭間が見られますが、その先は谷になっていて敵は攻めてきそうに
ありません。戦国期山城の様式美というか、常に実戦を想定した城主の
戦略が感じられます。

鉄砲伝来以降は、山城はその防御効果が減少し、次第に平地へと
築城に対する立地条件や思想そのものが変化していきましたが、
備中松山城は、戦国最後の「古風」を今に伝えてくれています。

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美しい二層の天守閣を眺めながら、薄茶の呈茶がありました。
小雨の中を、担当の皆様が熱くて美味しいお茶を運んで下さいました。
備中松山名物の「柚餅子」も振る舞われました。
本丸の櫓を過ぎると、

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天守閣前では献茶式の準備が整い、今朝からの雨に対する用意が進んでいます。
日本一標高の高い山城での献茶式は、日本一準備が大変だったに違いありません。
それでも遠州流や地元の有志の人々の力によって実現されたと思うと、参加させて
頂けただけでも大変有り難いことと思います。

献茶式まで少し時間がありましたので、天守を見学しました。
天守閣は、慶長年間、小堀正次・政一(遠州)親子が城番で入城した時には
既にあったとも言われ、その後、天和年間(1681頃)水谷勝宗によって修築
されています。

二層二階、正面の唐破風が美しい複合式望楼型天守です。
戦国期の山城らしい質実剛健さに加え、白漆喰と格子窓の組み合わせは
どこか優美で、備中という国の文化度の高さを感じたりしました。

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一階部分には、城内には珍しい囲炉裏が備えてあります。戦時、城主の
暖房用に用いられたとされるもので、備中兵乱の折、激しい争奪戦が
繰り返された経験から生まれたものと言われています。

さらに一階上段には、装束の間という十畳程の部屋があります。籠城時の
城主の居室であり、武運が尽き落城を迎える時には、切腹をする為の部屋と
言われています。

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最上階には、天守には珍しい神を祀った「御社壇(ごしゃだん)」があります。
かつては、この祭壇に三本の宝剣がご神体として祀られていたと言われています。
松山城の天守閣は、戦における最後の砦であると同時に、信仰の対象として
藩主や領民から大切にされたのでしょう。

献茶式

小雨が降り始める中、献茶式が始まりました。

遠州流十三世お家元小堀宗実宗匠のお点前が始まると、不思議な事に
雨はぴたりと止み、点てられた御茶を板倉家十九代当主板倉重徳様が
備中松山城歴代の城主の為に祭壇にお供えになられました。
小堀遠州と板倉重宗の400年の時を経た備中松山での再会です。

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お供えが終わると、また、シトシトと少しつづ雨が降り始めました。
御献茶を妨げないかのような、天候の変化がとても不思議に感じました。
厳粛で、素晴らしく感動的な献茶式でした。

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左二人目:小堀宗実宗匠、中央:板倉重徳様、右二人目:頼久寺生島裕道住職

この後は、城下町見学、頼久寺薄茶席と茶会は続きます・・・。


posted by etchuya at 16:59| Comment(0) | 日記
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