遠州流茶道呉支部創立60周年記念茶会が開催されました。茶の湯歳時記同好会の
ご縁でご案内を頂き参加させて頂きました。快晴に恵まれた清々しい一日でした。
呉支部創立60周年という記念すべきお茶会で、13世家元の小堀宗実宗匠が
お出でになり、濃茶席では、宗匠をお正客に、私共は次客以降、ご同座・ご相伴
させて頂き、大変感激致しました。

濃茶席にて、小堀宗実宗匠と。
お床には宗実宗匠の御筆で「致中和」(ちゅうかをいたす)。前に古銅経筒に牡丹。
中国の四書の内の「中庸」にこの一語が見受けられます。
「中」は、どちらにも偏っていない心の状態、「和」は、喜怒哀楽が生じた時
にも節度に従った心の状態、このふたつの心の持ちよう「中和」を実践すれば
天地も心も安んじて万物に和が生じるという事です。
むかし、武家が学んで日々に実践した中国四書の精神性を、今も大切にされる
遠州流茶道の素晴らしさを席中に感じました。
宗実宗匠のお人柄や、門人の方々の綺麗な所作、遠州公の茶風を誇りを以って
実践される姿が素晴らしかったです。

薄茶席では、床に日本三景の三幅対が掛けられています。
安芸の宮島を中央に、天橋立と松島です。
庭園にある池水の音が席中に聞こえてくるとても風流なお席でした。
賀茂鶴酒造「蓬莱庵」は、総ヒノキ造りの茶室や腰掛待合などを備え、
東京都文京区千駄木より移築した児玉希望画伯の画室も隣接しています。
庭園は、第16代佐野藤右衛門氏が手掛けたものです。

立礼席では、宗実宗匠が考案された立礼卓と茶箱のお点前でした。
瓢形のモダンな立礼卓には、遠州(enshu)の文字が意匠の中に隠れていました。
床には遠州公の和歌軸装が掛けられています。小堀宗明宗匠の御筆にて、
「花をめで 月をながめて 庵(いお)のうちに 心を澄ます 明け暮れの空」
最後は点心席。レストラン佛蘭西屋にて。
瀬戸内の新鮮な魚料理と賀茂鶴酒造様のお酒も振る舞われて、
とても贅沢で、清々しい気持ちになれた一日でした。
賀茂鶴酒造様のホームページにも掲載されています。
リンクはこちらから。
一部写真を賀茂鶴酒造様から掲載させて頂きました。