2017年08月17日

第9回 陣幕茶会レビュー

平成29年5月13日(日)、尾道の光明寺(御藤良基住職)において、
第9回目となる陣幕茶会が開催されました。光明寺は、尾道で力士を志し、
横綱まで上り詰めた「陣幕久五郎」の菩提寺であり、翁の偉業を讃える
名物茶会です。尾道水道を眺めながら薫風の心地よい季節の恒例茶会となり、
今回も県内外から沢山の方が参加されました。

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朝8時30分より本堂で、久五郎翁の法要と、当日の茶席のお菓子を供え、
濃茶席の席主による供茶式も執り行われました。続いて、陣幕久吾郎会の
皆様による相撲甚句が披露されました。

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本堂の濃茶席

光明寺亀息会、表千家流が今回の席主です。
お床には、光明寺什物の田能村直入筆「葉座観音像 般若心経」が
掛けられています。

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お席では住職がお席の皆様と一緒に、般若心経を唱えられました。
このようなお席もお寺ならではです。唱え終わると住職が般若心経に
ついて、お釈迦様の言葉を交えてお話して下さいました。


「お釈迦様は、この世界に存在するものはすべてが「空」であると
言われています。人間の体も心も本来「空」という存在で、
常に変化を繰り返しているのです。未来の事は誰にも知る事ができません、
ですから、無理に知ろうとせずに、見えない事を愉しみにしてみましょう。
正しく生きることは難しいけれど、明るく生きる事は誰にだって出来るでしょう。
様々な事に心を囚われないで今を生きますと、生き方が変わるのではなく、
受け止め方が変わってくるとお釈迦様は教えられています。
般若心経を唱えると、心が消え、魂が静まりますので、皆様も時折お唱え下さい。」



桐の間の薄茶席

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平谷祐宏尾道市長も出席下さいました。

桐の間では、速水流三友会による薄茶席です。
裏手には亀が遊ぶ池があり、光明寺の井戸には、亀齢泉(きれいせん)が
湧き出ています。そうして、床には大きな「鶴」の一字。
鶴と亀と、目出度い取り合わせです。
本堂とは異なった印象の寛いだ雰囲気の薄茶席です。

亀息庵の点心席

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点心席は、文化部の皆様の担当されました。
庭を眺めながらゆっくりと楽しめるお席です。
亀息庵の庵号は、尾道で有名なげんこつ和尚(物外不遷)による
揮毫です。池のほとりには、ツツジや菖蒲が咲き、5月の雰囲気が
いっぱいです。

posted by etchuya at 10:50| 茶の湯歳時記同好会