浄土寺(小林暢善住職)に於いて山内に全13箇所のお茶席を設けた
浄土寺大茶の湯を開催致しました。

当日は天候にも恵まれ、多くの観光客の皆様、各地からお茶人の方々も
お出でになりました。
国宝「多宝塔」のお茶席
国宝の多宝塔は、1328年建築の日本三大多宝塔のひとつ。
須弥壇には中央に大日如来、両脇侍には釈迦如来、薬師如来が
安置され、四周壁面には真言八祖の壁画が描かれています。
普段一般公開されていない多宝塔内には、東側に濃茶席、西側に薄茶席が
設けられました。当日は席主が供茶されました。
多くのお客様が入席されました。

多宝塔濃茶席の様子

多宝塔薄茶席の様子
重文「阿弥陀堂」のお茶席
阿弥陀堂は1345年の建築で、須弥壇に阿弥陀三尊像が安置されて
います。1325年の火災以前は阿弥陀堂が本堂とされており、火災後
1345年に再建されました。
東側では、今回の席主の中で一番の若手となりました。先生に後見され
爽やかな席となりました。西側は、岡山から懸釜されました。経験豊かな
席主です。

阿弥陀堂薄茶席(東側)

阿弥陀堂薄茶席(西側)
重文「方丈」のお茶席
方丈は1690年、尾道の豪商橋本家が施主となって建立されました。
「上の間」と「下の間」に分かれ、折上格天井の格式高い造りです。
秋篠宮殿下ご夫妻の浄土寺御成の際も方丈上の間で献茶差し上げました。

方丈上の間薄茶席の様子

方丈下の間薄茶席の様子
露滴庵庭園の野点席
伏見城より移築された露滴庵も特別公開されました。
露滴庵庭園の白砂では、野点席が花を大茶の湯らしい雰囲気を添えました。
時に応じてお席を日陰の方へ移動しながら、臨機応変なお席でした。

露滴庵庭園 野点席の様子
重文「客殿および庫裏」
現在の客殿と庫裏は1719年の建築。平成の大修理で旧庫裏、食堂が
当時の姿に復元されました。客殿は「梅の間」「竹の間」「松の間」が
お茶席となり、庫裏と客間が点心席となりました。

梅の間 薄茶席の様子

竹の間 薄茶席の様子

松の間 濃茶席の様子
庫裏の点心席では「音の席」として歌とピアノのミニコンサートが
開かれました。クラシック曲や同様など、点心を頂きながら、2回公演が
ありました。

点心席、音の席の様子
尾道市制施行120周年行事として、県内外から多くのお客様がお出でになり、
一日ゆっくりと浄土寺の茶の湯を楽しまれました。