2018年12月29日

第15回 尾道源氏絵茶会 レビュー

平成30年10月28日(日)尾道市の浄土寺(小林暢善住職)に
於いて、第15回目となる「源氏絵茶会」が開催されました。
源氏扇面屏風特別公開に加え、今回は特別企画として、
サントリー美術館 主任学芸員 上野友愛氏による記念講演
「せんすでリメイク〜源氏物語絵扇面散屏風の世界〜」が
開催されました。広島県内外から、約200名のお客様が参加されました。

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方丈の濃茶席では速水流尾道支部が担当されました。
床には有栖川宮幸仁親王御筆の和歌懐紙が掛けられるなど、
宮中の茶、速水流の特色を生かしたお席になりました。
第1回目の茶会記をもとに、真台子の濃茶席を再現され、
節目の年に相応しい格調の高い取り合わせでした。

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書院は、茶の湯歳時記同好会、表千家流による薄茶席です。
源氏絵扇面散屏風展観に添えて、とても華やかで上品な
薄茶席となりました。
主茶碗は、第1回目の源氏絵茶会の時に、特別に製作された
「浄土寺本 源氏絵 賢木」が取り合わせられました。

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源氏絵扇面散屏風が展観された阿弥陀堂では、サントリー美術館
主任学芸員上野友愛氏による記念講演「せんすでリメイク〜源氏物語
絵扇面散屏風の世界〜」が開催されました。

浄土寺の源氏絵扇面散屏風は、室町時代現存最古と考えられる貴重さや、
扇面の配置の妙味などを詳しく説明されました。随所に親しみやすい
雰囲気の講演でした。

「源氏絵扇面散屏風」は、サントリー美術館展観の後、
ニューヨークのメトロポリタン美術館でも披露される予定です。
尾道浄土寺の宝物が世界に紹介され、大変喜ばしい事と思います。

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点心席の担当は、裏千家尾道支部の皆様です。
庫裏と客殿を点心席に使わせて頂きました。沢山のお客様で、
とても賑わっていました。

三流派が協力しあって、大きなお茶会に臨むのも、流派を超えて
出会いの場になるように思います。
お寺に人が集まって、学びや出会いの場になることは、将来に向けて
とても意味ある事と思います。




posted by etchuya at 18:30| 茶の湯歳時記同好会