2019年06月07日

第2回 浄土寺夜咄茶会レビュー

平成30年12月1日(土)尾道の浄土寺(小林暢善住職)に於いて
第二回目となる夜咄茶会が開催されました。
重要文化財の茶室の中で、和蝋燭を使った茶の湯です。
広島県内外、遠くは京都や滋賀からも参加され、いにしえの灯火の中、
幽玄の世界浄土寺夜咄に定員30名のお客様が参加されました。

濃茶席 梅の間

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重文「梅の間」は、表千家流友愛会による濃茶席です。
待合には盆石が飾られ、夜咄の雰囲気でいっぱいです。
お席の床には払子が掛けられています
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冬の夜の静寂な中、濃茶のお点前が始まります。点前座には、編み笠のツバのように
肩が衝いた茶入、「雪」という銘の茶杓が取り合わせられました。
「笠に降り積もる雪」といった水墨画のようなモノトーンの世界が表現され
味わい深いお席となりました。

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方丈前庭園の様子

今回は、浄土寺の露路、露滴庵庭園、勅使門から方丈への庭の灯篭等
すべて蝋燭の灯りだけを使って、庭園をライトアップしました。

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薄茶席 方丈

重文「方丈」は、各流派で構成される一盞会による薄茶席です。
お席の床には「般若」の能面が、蝋燭の灯に揺れています。

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近年の茶の湯歳時記同好会の茶会では、男性のお客様も増えてきています。
このお席の正客は、浄土寺住職様。

紹鴎棚の脇には、胡銅の燭台が灯りとなっています。利休形の短
架とは異なった「キャンドル」は西欧風の雰囲気で、席主の長きにわたる研鑽と
茶風を表現しているかのようでした。

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フランス料理会席 客殿

今回の会席は、茶会では初めてとなる「フランス料理会席」となりました。
尾道のレストラン、レスポワール・ドゥ・カフェの小泉真一郎シェフによる
夜咄の特別コースです。
お客様に料理の説明をするシェフの様子です。
フランス料理のメニューに対する想いも、茶の湯と共通するものがあります。
皆さんは、「フランス料理会席」をとても楽しんで頂いている様子でした。

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9種のオードブル、尾道地海老のビスクスープ、サーモンマリネ
とフィレ肉のロティ、三次産のお米で作った米粉パンというコースです。

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第2回夜咄茶会も無事に終了致しました。
茶の湯歳時記同好会では、日本のみならず世界の文化にも目を向けて
茶会を中心に企画して参ります。今後ともどうぞよろしくお願いします。

posted by etchuya at 10:33| 茶の湯歳時記同好会