第3回織部茶会が開催されました。

この茶会が、茶の湯歳時記同好会の平成時代最後を飾る茶会となりました。
重文の露滴庵(三畳台目相伴席)が約3年ぶりに濃茶席として開放され、
名席で一服を楽しもうと定員いっぱいの六〇名のお客様が全国から
参加されました。

待合には、織部ゆかりの戦国武将及び茶人の兜が展観されました。
それぞれの好みが反映された変わり兜のデザインを楽しむ事ができました。
背後にあるのは、豊臣秀吉の軍配図です。

露滴庵は、裏千家寂心庵宗克宗匠(京都)による濃茶席です。
宗匠は、鵬雲斎大宗匠に永く御付きになり、ご自身の茶事も
積み重ねること2500回を超えたお茶人です。
床には織部ゆかりの大徳寺禅僧の遺偈の横幅が掛けられました。
露滴庵の床と、同じ時代から存在する掛軸を眺めていると、
その精神性が時代を超えて、伝わってくるようで、あたかも
その時代に戻っているかのような気持ちになります。
炉には、自在に舟形の釜が掛けられました。
亭主の永年の経験から表現される世界が大変喜ばれました。
いずれも織部時代の取り合わせで、厳かな雰囲気の中濃茶が点てられました。

梅の間の薄茶席は、茶の湯歳時記同好会代表世話人席です。
表千家と遠州流による流派の垣根を超えたお席となりました。
茶の湯歳時記同好会の主旨でもある「各流派のお茶人の交流」を
実現した薄茶席です。
これまでの茶会活動によって、人と人とのご縁が広がっています。
今後も、この素晴らしい茶の湯文化に目を向ける人が多くなることを
願って、活動を続けて参ります。

点心席は、庫裏および客殿が会場となりました。
尾道の大丸日本料理場(宇根元茂代表)が特別メニューを用意して
下さいました。皆様にも大変好評でした。