(神原祥弘住職)に於いて第二回目となる法常寺隆景公茶会が
開催されました。当日は快晴に恵まれ盛会となりました。

東日山・曹洞宗・法常寺は、三原城の西の要・乾の方角にあり
三原城の西の出城として建てられた痕跡が残っており、天正20年
現在の地に移築されたものと考えられています。
小早川隆景公が慶長2年(1597)6月、三原城にて死去された時に、
法常寺に於いて葬儀が行われ、境内で荼毘に付されました。
その跡地に隆景公小祠が建立されています。

本堂では午前9時より住職による法要と、席主から隆景公に対して
供茶式が厳かに執り行われ、多くのお客様が参加されました。

法要が終わると、ゲストとして東京からご参加下さいました
小早川家のご当代、小早川隆治様から茶会開催に際しお祝いのお言葉
を頂戴致しました。とても穏やかで温かいお人柄は、隆景公の肖像画の
お顔と重なるように感じました。
本堂には、隆景公の御位牌と、江戸時代に造られた隆景公木像の寺宝が
展観され、皆様は興味深くご覧になりました。

濃茶席は法常寺の書院がお席になりました。
茶の湯歳時記同好会、表千家流「和香会」が福山から懸釜下さいました。
佛心豊かな隆景公の遺徳を偲ぶ一行書、点前座は、文武両道に長けた
隆景公に因んだ取り合わせとなりました。
隆景公も学んだであろう禅語の「三級浪高くして魚、龍と化す」を表現した
飾火箸は、隆治様も興味深くご覧になられていました。
お席も大変好評で、初夏の清々しい濃茶席となりました。

薄茶席は本堂東の間、茶の湯歳時記同好会表千家流、竹内宗友氏が
担当されました。地元三原から懸釜下さいました。
濃茶席の座敷に対して、こちらは立礼席です。
近年は長く正座する事が難しいお客さんも増えてきました。
いつまでも身近にお茶席を楽しんで頂けるようにとの気持ちを込められた
立礼席です。お席は、霰の御釜や小早川家ゆかえりの三つ巴の茶碗、
季節の取り合わせで、干菓子が振舞われ爽やかな雰囲気でした。

本堂では、early summer jazztime と題して、ジャズトリオ
(ボーカル末竹希巳子氏、ピアノ山本博之氏、ベース阿吹光政氏)による
ミニライブが開催されました。お茶席の合間に、少しリラックスして楽しんで頂
きました。和と洋を茶の湯に取り入れた企画になりました。
今回のお茶会に、日本とニュージーランドで活躍されるプロカメラマンの
KAZUSHI HIRANO氏が、遠方よりご参加下さいました。本号の茶会風景の
写真は、同氏の作品を掲載させて頂きました。
ウェブサイトは、https://photo‐hirano.jimdofree.comです。
是非アクセス下さい。
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