2020年01月08日

尾道港開港850年記念茶会 レビュー

令和元年十一月十七日(日)尾道浄土寺(小林暢善住職)に於いて、
尾道港開港八五〇年記念茶会が開催されました。

令和元年(2019)は、尾道が高野山の荘園、太田の荘(現世羅町)の
倉敷となって八五〇年の節目を迎えます。
平安時代の末仁安三年(1169)、後白河法皇が高野山に
寄進された荘園のお米の積出港となり以降尾道が港として発展して
ゆく事となりました。港の繁栄とともに尾道は発展し寺宮も
そのおかげで今日に至っています。尾道の長い歴史に触れ、その中心的な
存在であった浄土寺に県内外から多くのお客様がご参加下さいました。

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午前八時半から、尾道と浄土寺ゆかりの足利尊氏侯、定証上人、
道蓮道性夫妻、平山角左衛門公の法要と供茶式が執り行われました。
方丈上段の間の床には、足利尊氏侯肖像画と四柱の御位牌が安置されました。
書院には室町時代の文房具荘が再現されました。

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法要の後は、四流派によるお茶席が始まりました。
重文の阿弥陀堂では、表千家流の濃茶席です。福山より懸釜して下さいました。
阿弥陀如来像の安置された堂内での濃茶席は特別な雰囲気です。
表千家の中興の祖、七世如心斎好みの取り合わせをお客様は楽しまれました。

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梅の間は、裏千家の薄茶席です。
京都より市川寂心庵が懸釜下さいました。備後地方で風炉の灰景の講師を
されているご縁で担当下さいました。令和元年をテーマに、経験豊かな
お人柄と味わい深い話題にお客様方は魅了されていました。

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露滴庵(重文)は、速水流の濃茶席です。
岡山から懸釜されました。織部好の現存最古と言われる茶室では、
桃山時代の千利休、古田織部、小堀遠州という天下三宗匠にまつわる
お道具が披露され、時を超えた味わい深い取り合わせとなりました。

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方丈の間は、茶の湯歳時記同好会世話人による薄茶席です。
お点前は、遠州流、表千家流、速水流が担当され、各席によって流派の
異なるお点前が楽しめる席となりました。流派の垣根を超え、老若男女
分け隔てなく茶の湯を楽しむという同好会の主旨を大切にしたお席になりました。

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庫裏は点心席です。開港八五〇年記念の献立が喜ばれました。
同好会会員の皆様のご厚意とご協力によって沢山のお客様をおもてなし
することが出来ました。




posted by etchuya at 13:48| 茶の湯歳時記同好会