2017年11月28日

第1回 浄土寺夜咄茶会レビュー 11月19日(日)

浄土寺夜咄2日目は、初日にも増して寒気が強まった一日でした。
午後4時30分頃からお客様が待合にお集まりになられました。

濃茶席 速水流

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正客は浄土寺の奥様

今日の濃茶席は、速水流です。
お床には、雅楽面の「蘭陵王」が掛けられ、行灯の灯りに照らされています。
雅楽における「蘭陵王」は、北斉の蘭陵武王・高長恭の逸話にちなんだ曲目で、
眉目秀麗な名将であった蘭陵王が優しげな美貌を獰猛な仮面に隠して戦に挑んだと
いうものです。武人の勇壮さの中に、絶世の美貌で知られた蘭陵王です。
床柱には金馬の経筒が花入となっています。

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重文の書院梅の間の金地貼付壁には瀧が描かれ、襖絵は梅林になっています。
やがて瀧の水は、海に注ぐように竹の間、松の間へと続いて行きます。
蝋燭の炎が襖絵を照らして、非常に美しい光景です。
濃茶は、浄土寺先代住職の小林海暢長老様のお好みで「法輪の昔」です。

露滴庵庭園と方丈前庭園

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濃茶席から薄茶席に移動する間に、露滴庵庭園があります。
白砂はきれいに整えられて、むこうには露滴庵が大切に保存されています。
露滴庵までの大小の石灯籠も、蝋燭の灯りが入りました。夜に眺める露滴庵も
一段と素晴らしいものです。

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方丈前の白砂の美しい庭園です。
こちらには勅使門と言って、貴人のみ通る事の許された門があります。
皇室ゆかりのお寺、浄土寺の見どころのひとつです。


薄茶席 表千家流

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正客は浄土寺小林暢善住職

2日目の薄茶席は表千家流です。
床には大綱和尚の消息文が掛けられています。
毛利家から泉州のお殿様に対して茶入と水指を献上した際の書状です。
仲介を務めたのは、毛利家菩提の大徳寺黄梅院の大綱和尚様で、
「泉州様は大変にお喜びになられました」と安堵の様子が綴られています。
前には達磨さんのような盆石、龍の髭が、さながら達磨大師を彷彿とさせます。

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お点前座には、仏器としても知られる南蛮半寧羅水指です。
大陸では軒先にこの器に水を張って、道行く僧侶や人々に奉仕するのだそうです。
亭主はお席の中で、お釈迦様の時代から現在も続く、無償で水を捧げる「水の功徳」の
お話をされ、とても仏心豊かなお席になりました。

夜咄懐石とコンサート パート2

庫裏では昨夜に続いてコンサートが開かれました。
2日目のお客様にも大好評の料理と音楽のお席になりました。
(献立は前ページを参照下さい)

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会場の雰囲気、お客様の視線も非常に暖かくて、演奏者としても
とても嬉しい演奏会になったようです。

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チェロ:木村直子氏 ピアノ:吉岡由美子氏

セットリストは昨夜と少し変更がありました。
とても良いコンサートでした。

【2日目のセットリスト】
G線上のアリア(バッハ)
月の光(ドビュッシー)※ピアノソロ
無伴奏チェロ組曲第5番プレリュードより抜粋(バッハ)※チェロソロ
夢のあとに(フォーレ)

ご来場頂きましたお客様方、浄土寺夜咄にご協力下さいました小林暢善住職様、奥様、
浄土寺の皆様、また、快くお席を引き受けて下さいました席主様方、音楽家のお二方、
茶の湯歳時記同好会の皆様に心より感謝申し上げます。



posted by etchuya at 15:21| 茶の湯歳時記同好会

2017年11月21日

第1回 浄土寺夜咄茶会レビュー 11月18日(土)

尾道の瑠璃山の木々も真赤に紅葉した平成29年11月18日(土)・19日(日)の
二日間、国宝の寺浄土寺(小林賜善住職)ご協力のもと、茶の湯歳時記同好会主催
第1回夜咄茶会が開催されました。本格的な夜咄茶会は尾道近郊でも初めての
試みです。中国5県の他、関東から、定員を少し超える66名のお客様が
参加下さいました。18日は、例年になく、今秋一番の冷え込みとなりました。

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薄暮の表玄関には露地行灯でお迎え致しました。
受付を終えると、グループごとに各お席の待合に入られました。


濃茶席 表千家流

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濃茶席、表千家流の待合です。お席となる重文書院梅の間に隣接する竹の間です。
部屋は夕暮れとは言え、もう随分暗くなっていて、夜咄の雰囲気が漂っています。
手焙は毛氈ごとに置かれていて亭主の心が感じられました。行灯の側には、
今日の会記と箱書付が並べられています。

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短檠や膳燭など、昔ながらの灯りの下、お席が始まります。
床には払子の画賛、桂盆に盆石が行灯の灯りに照らされています。
釜は大変大きな広口の古い御釜で、蓋をあけると湯気が一気に立ち上ります。
寒い時期の、特に夜咄ではとても暖かく感じられる風景です。
お客様はお茶碗や茶入など、名品の取り合せをゆっくりと楽しまれました。


露滴庵庭園と方丈廊下

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方丈へと続く廊下は露地行灯を準備しました。
露滴庵庭園もライトアップされ、灯籠には灯りが入っています。
夜の浄土寺も、とても美しいものです。


薄茶席 遠州流

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遠州流待合は方丈の上段の間です。
幕末から明治にかけて活躍した福山城絵師藤井松林による襖絵が有名です。
金地の襖は僅かな行灯の灯りを映して、夜でも明るく感じられるようになっています。
電気の無い時代、装飾性と機能性を備えた昔の人の創意工夫は素晴らしいものです。
四ツ足の大きな手焙は、浄土寺蔵。黒塗に唐草蒔絵と飾り金具が見事で、
箱書には文政二年とあります。露滴庵が浄土寺に移築された頃、光國和尚の代に
新調されたとあります。

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遠州流薄茶席では、短檠の他、背の高い菊灯台がお席を照らしています。
緋毛氈の敷かれたお席に、揺れる蝋燭の灯りが非常に幽玄でした。
床には宗明宗匠の雪の一行書、唐物の古銅花入、遠州好袋棚は総飾となっています。
遠州流の「綺麗さび」の精神が非常に色濃く出た設えと、茶を愛する席主のお人柄に、
お客様も随分魅了されたようです。


夜咄懐石とコンサート

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料理の席となった浄土寺庫裏は、10数基の竈が並び、かつて多くの修行僧が
食事の準備をしていた場所です。竈の煙を逃がす為に吹き抜けで梁が露出して
います。平成の大修理で、元禄時代当時に復元された、浄土寺の名所の
ひとつとなっています。

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今回は大徳寺振舞料理を研究して夜咄懐石としました。

【八寸五種盛】大徳寺麩、締豆腐、百合根、香茸、菊葉
【白和え】人参、木耳、蒟蒻、さつま芋、菊葉
【胡麻豆腐】わさび
【飯物】あずき御飯
【汁物】白味噌仕立 よもぎ麩 粟麩、揚麩 和芥子
【煮物】宗旦そば
【箸洗】針生姜

監修 檀上宗厚
調製 大丸日本料理場 宇根本茂


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懐石の後、チェロ奏者:木村直子氏、ピアノ奏者:吉岡由美子氏によるコンサートを
楽しんで頂きました。備後で活動を続けるお二人は、夜咄に相応しい曲を選曲、
編曲して下さいました。吹き抜けの庫裏は、非常に音響が優れているそうです。
お客様は各曲の作曲者や曲の説明を聞いて、その音楽の風景を楽しまれました。
晩秋の夜に相応しい、素晴らしい雰囲気のミニコンサートでした。

【初日のセットリスト】
トロイメライ(シューマン)
月の光(ドビュッシー)※ピアノソロ
無伴奏チェロ組曲第5番プレリュードより抜粋(バッハ)※チェロソロ
夢のあとに(フォーレ)



夜咄2日目、11月19日(日)に続く…。


posted by etchuya at 13:28| 茶の湯歳時記同好会

2017年10月30日

第14回 尾道源氏絵茶会レビュー

平成29年10月22日、第14回目となる尾道源氏絵茶会が浄土寺にて
開催されました。前日からの台風の影響で、当日も大雨となりましたが、
約200名のお客様、遠くは滋賀県からもご参加下さいました。

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今回の特別企画は、観世流重要無形文化財保持者、吉田潔司先生による講演、
「能と源氏物語」が阿弥陀堂で開催されました。源氏扇面屏風(市重文)と
ともに、旧肥後藩、細川家伝来の唐織装束(花入亀甲地団扇地紙文様唐織、
金地撫子蝶文様唐織)が二両、能で使用される表五種(小面、若女、増女、
増髪、泥眼)、扇が展観されました。

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阿弥陀堂での展観の様子

吉田潔司先生は、源氏物語のシテに選ばれた女主人公として葵の上、明石の君
など6名を紹介して、謡と解説を交えて、源氏物語と能楽の関係を披露下さいました。

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講演の様子

お茶席は、方丈の間で、裏千家淡交会尾道支部による濃茶席と、書院梅の間では
速水流滌源会尾道支部による薄茶席が設けられました。
どちらも重文の茶席で、源氏物語の風情に合う、雅な取り合わせで、来場者を
楽しませてくれました。

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裏千家濃茶席の様子

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速水流薄茶席の様子

点心席は庫裏と客殿です。担当は、茶の湯歳時記同好会です。
高坏に盛り付けた点心が大変喜ばれました。

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点心席の様子

午後から台風接近の予報にも関わらず、お茶会、講演会にご参加下さいまして
誠にありがとうございました。

posted by etchuya at 14:16| 茶の湯歳時記同好会