2017年11月21日

第1回 浄土寺夜咄茶会レビュー 11月18日(土)

尾道の瑠璃山の木々も真赤に紅葉した平成29年11月18日(土)・19日(日)の
二日間、国宝の寺浄土寺(小林賜善住職)ご協力のもと、茶の湯歳時記同好会主催
第1回夜咄茶会が開催されました。本格的な夜咄茶会は尾道近郊でも初めての
試みです。中国5県の他、関東から、定員を少し超える66名のお客様が
参加下さいました。18日は、例年になく、今秋一番の冷え込みとなりました。

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薄暮の表玄関には露地行灯でお迎え致しました。
受付を終えると、グループごとに各お席の待合に入られました。


濃茶席 表千家流

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濃茶席、表千家流の待合です。お席となる重文書院梅の間に隣接する竹の間です。
部屋は夕暮れとは言え、もう随分暗くなっていて、夜咄の雰囲気が漂っています。
手焙は毛氈ごとに置かれていて亭主の心が感じられました。行灯の側には、
今日の会記と箱書付が並べられています。

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短檠や膳燭など、昔ながらの灯りの下、お席が始まります。
床には払子の画賛、桂盆に盆石が行灯の灯りに照らされています。
釜は大変大きな広口の古い御釜で、蓋をあけると湯気が一気に立ち上ります。
寒い時期の、特に夜咄ではとても暖かく感じられる風景です。
お客様はお茶碗や茶入など、名品の取り合せをゆっくりと楽しまれました。


露滴庵庭園と方丈廊下

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方丈へと続く廊下は露地行灯を準備しました。
露滴庵庭園もライトアップされ、灯籠には灯りが入っています。
夜の浄土寺も、とても美しいものです。


薄茶席 遠州流

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遠州流待合は方丈の上段の間です。
幕末から明治にかけて活躍した福山城絵師藤井松林による襖絵が有名です。
金地の襖は僅かな行灯の灯りを映して、夜でも明るく感じられるようになっています。
電気の無い時代、装飾性と機能性を備えた昔の人の創意工夫は素晴らしいものです。
四ツ足の大きな手焙は、浄土寺蔵。黒塗に唐草蒔絵と飾り金具が見事で、
箱書には文政二年とあります。露滴庵が浄土寺に移築された頃、光國和尚の代に
新調されたとあります。

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遠州流薄茶席では、短檠の他、背の高い菊灯台がお席を照らしています。
緋毛氈の敷かれたお席に、揺れる蝋燭の灯りが非常に幽玄でした。
床には宗明宗匠の雪の一行書、唐物の古銅花入、遠州好袋棚は総飾となっています。
遠州流の「綺麗さび」の精神が非常に色濃く出た設えと、茶を愛する席主のお人柄に、
お客様も随分魅了されたようです。


夜咄懐石とコンサート

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料理の席となった浄土寺庫裏は、10数基の竈が並び、かつて多くの修行僧が
食事の準備をしていた場所です。竈の煙を逃がす為に吹き抜けで梁が露出して
います。平成の大修理で、元禄時代当時に復元された、浄土寺の名所の
ひとつとなっています。

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今回は大徳寺振舞料理を研究して夜咄懐石としました。

【八寸五種盛】大徳寺麩、締豆腐、百合根、香茸、菊葉
【白和え】人参、木耳、蒟蒻、さつま芋、菊葉
【胡麻豆腐】わさび
【飯物】あずき御飯
【汁物】白味噌仕立 よもぎ麩 粟麩、揚麩 和芥子
【煮物】宗旦そば
【箸洗】針生姜

監修 檀上宗厚
調製 大丸日本料理場 宇根本茂


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懐石の後、チェロ奏者:木村直子氏、ピアノ奏者:吉岡由美子氏によるコンサートを
楽しんで頂きました。備後で活動を続けるお二人は、夜咄に相応しい曲を選曲、
編曲して下さいました。吹き抜けの庫裏は、非常に音響が優れているそうです。
お客様は各曲の作曲者や曲の説明を聞いて、その音楽の風景を楽しまれました。
晩秋の夜に相応しい、素晴らしい雰囲気のミニコンサートでした。

【初日のセットリスト】
トロイメライ(シューマン)
月の光(ドビュッシー)※ピアノソロ
無伴奏チェロ組曲第5番プレリュードより抜粋(バッハ)※チェロソロ
夢のあとに(フォーレ)



夜咄2日目、11月19日(日)に続く…。


posted by etchuya at 13:28| 茶の湯歳時記同好会

2017年10月30日

第14回 尾道源氏絵茶会レビュー

平成29年10月22日、第14回目となる尾道源氏絵茶会が浄土寺にて
開催されました。前日からの台風の影響で、当日も大雨となりましたが、
約200名のお客様、遠くは滋賀県からもご参加下さいました。

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今回の特別企画は、観世流重要無形文化財保持者、吉田潔司先生による講演、
「能と源氏物語」が阿弥陀堂で開催されました。源氏扇面屏風(市重文)と
ともに、旧肥後藩、細川家伝来の唐織装束(花入亀甲地団扇地紙文様唐織、
金地撫子蝶文様唐織)が二両、能で使用される表五種(小面、若女、増女、
増髪、泥眼)、扇が展観されました。

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阿弥陀堂での展観の様子

吉田潔司先生は、源氏物語のシテに選ばれた女主人公として葵の上、明石の君
など6名を紹介して、謡と解説を交えて、源氏物語と能楽の関係を披露下さいました。

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講演の様子

お茶席は、方丈の間で、裏千家淡交会尾道支部による濃茶席と、書院梅の間では
速水流滌源会尾道支部による薄茶席が設けられました。
どちらも重文の茶席で、源氏物語の風情に合う、雅な取り合わせで、来場者を
楽しませてくれました。

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裏千家濃茶席の様子

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速水流薄茶席の様子

点心席は庫裏と客殿です。担当は、茶の湯歳時記同好会です。
高坏に盛り付けた点心が大変喜ばれました。

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点心席の様子

午後から台風接近の予報にも関わらず、お茶会、講演会にご参加下さいまして
誠にありがとうございました。

posted by etchuya at 14:16| 茶の湯歳時記同好会

2017年10月19日

第34回松江城大茶会バスツアー

茶の湯歳時記同好会の独自企画「第34回松江城大茶会バスツアー」
へ行って参りました。40名様が参加下さいました。
茶の湯歳時記同好会は毎年、亭主側を勤めさせて頂きましたが、
今回は親しくさせて頂いている方々のお席に客として参加致しました。

天候は曇り、やまなみ街道を貸切バスが走って行きます。
車内では松平不昧公のお話、これまでの活動を振り返ったり、とても
思い出深いものです。そんな時、バスに不具合が…。
世羅のサービスエリアで停車して、替えのバスに乗り換える事になりました。
予定より40分程遅れてバスは発車、松江城を目指します。
松江に到着後、宍道湖畔のしじみ館で昼食、大急ぎでお城に移動です。

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松江城に着くと、いつもお席でお世話になっている方に合流しました。
茶人であり、松江の茶の湯の研究家でもある氏は、不昧公ゆかりの
華蔵寺(けぞうじ)の護持に尽力されている方です。6月には京都で
松平不昧公の茶席についての研究発表をされ、茶道文化に貢献されています。

前日は大雨だったそうで、とても準備が大変だったと思います。
しかし到着した頃には陽が差して心地よい一日です。

不昧流大円会薄茶席

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最初に不昧流大円会のお席に参りました。
不昧流の皆様は、尾道陣幕茶会で不昧流のお茶を披露下さいました。
お席は、葦簾と流派の幕、木地の立礼卓で、秋の野点の雰囲気が漂って
いました。お菓子は秋色、とても感じ良い薄茶席です。
大円会の皆様と再会を喜びあい、とても楽しいお席でした。

薮内流福田随竹庵薄茶席

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随竹庵の若宗匠は、昨年の私共の席にお客様としてお出で下さいました。
今年の松江城茶会で懸釜されると伺い、今度は我々が客になりました。
若宗匠自らお点前して下さいました。道具を扱う前に、まず目で見定めてから
手に取られる姿がとても印象的でした。お席全体に心地よい緊張感があって、
礼節を感じるお席でした。お点前の後、薮内流の事、お道具の事など非常に
解りやすく説明下さいました。

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午後4時頃松江を出発、尾道へ帰るともう日も暮れていました。
ちょうど尾道では、「灯りまつり」で、尾道じゅうのお寺が子どもたちの
造った灯籠でライトアップされていました。
毎年松江に出かけていましたので、考えてみれば久しぶりに見る
尾道の「灯りまつり」でした。


posted by etchuya at 15:15| 茶の湯歳時記同好会